【お歳暮】古萩内刷毛目茶碗

台風が各地で猛威をふるっていますが、皆様ご無事にお過ごしでしょうか。少しでも、こちらでお付き合い頂いた分から被災地等への寄付支援を行っていきたいと思います。造形と貫入の美しい、古萩・内刷毛目茶碗をご紹介致します。萩の茶碗としては珍しく、見込み内刷毛目、渦模様が描かれています。茶溜りも渦文様に軽く削られており、薄がかりの藁灰釉の肌の煌めきにキメ細やかな貫入が全体に広がっており気品を感じます。高麗・古萩茶碗にみられる笛筒形で、ややざっくりとした面取りを残しつつ腰の稜線のキッパリとした美しさ、そこから立ち上がるやわらかさ、口造りの程よい緊張感、削りの躊躇いのなさ。嫌味がなく潔く、飲み口柔らかな伝世品です。準総釉ながら口辺の白溜まり釉となだれなど、古唐津に見られる釉掛かりが施されているのが特徴的で、嫌味がなく、釉跳ねの様も好ましく、三重高台の渦兜巾、高台釉半掛けなど、面白みが随所に見られます。手取り軽やかで口当たり良く、下品でなく、土味が良いです。全体の焼き上がりと発色が素晴らしく、高台の縮緬皺もきめ細かで、まさしく茶のために生まれてきた器と感じられます。見込みは広くお茶は点てやすく、茶溜りから口へ伸びやかに駆け抜けてゆく一条の白雲がなんとも、のんびりとした気持ちを器に与えています。飲み終えた後に残る茶の緑と器のほの明るい色合いがとても美しいです。たおやかかつキリとした轆轤目。見込みに残された四つの目あとも見所です。萩の貝目跡とは異なり、むしろ高麗茶碗そのもののようにも思われます。楽しく使わせて頂きましたので、楽しく使ってもらえる方に。どうぞよろしくお願いいたします。

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