【お歳暮】初版本『グルーベチュ』アンナ・ゼーガース作品集 河野富士夫ほか共訳

単行本ハードカバー 1996年10月1日刊行 アンナ・ゼーガースは、ドイツの小説家です。代表作に『第七の十字架』『死者はいつまでも若い』 などがあります。 1942年、ドイツおよびドイツ語圏の国において最も重要とされている文学賞「 ゲオルク・ビューヒナー賞」を受賞しています。 ライン河畔の歴史的大都市マインツの裕福なユダヤ人古美術商の長女として生れたアンナ・ゼーガースですが、1933年、ゲシュタボに逮捕されて以来、警察の監視下におかれ…スイスを経てパリへ逃れます。 1940年、ナチスの勢力がフランスに及んでくると、さらなる亡命先を求めてパリ近郊を去りマルセイユへ。ドイツ軍がパリを占領したためマルセイユから、難路、メキシコへの亡命…1947年まで亡命生活を余儀なくされました。 こちらの作品集は、『グルーベチュ』『約束の地への手紙』『アガーテ・シュヴァイゲルト』『石器時代』の4編からなる短編小説集です。 『グルーベチュ』は、＞「地下酒場のドアの上に鉄製のアームにかかっているガス灯は消えかかっていた。」から始まります。  アパートとその中庭を舞台にして、視点はその外に出ることはありません。「ガス灯が地中深くにある坑内ランプのように、絶え間なくこの縦穴におちてくる細い雨に道をささし示していた」アパート。貧しくとも堅牢な暮らしを営むマルティン一家、またゼーバルト家の人々がグルーベチュよって翻弄されていきます。 きわめて繊細な理解力を示すと同時にサディスト的な残酷残酷さをもつグルーベチュに破滅堕落させられていくのです。 こちらの作品集は、4編からなる短編小説集です。 ♧『石器時代』主人公ゲーリーは、ハイジャックした罪で追手を恐れながら、コロンビアへ、そしてジャングルへと逃れていきます。 ジャングルを駆け抜けていく時、無数の傷だらけの焼け焦げた顔が浮かび出てきます。実はゲーリーはベトナム戦争で残虐行為をはたらいたグリーンベレーの隊員でした。 (『石器時代』との表題はアメリカのカーチス将軍が「 ベトナムを爆撃して石器時代に戻せ」と命じたとの言葉からです。) ところが、しかし、ゲーリーの道中は決して破滅の過程ではありません。 帯無、カバーに少しのヨレ、小傷。 「天」にほんの僅かな汚れ（…

• この商品をお気に入りに登録

• 同じ商品を出品する

カテゴリ

• 本・音楽・ゲーム
• 本
• 人文/社会

タグ

• 初版本『グルーベチュ』アンナ・ゼーガース作品集
• 河野富士夫ほか共訳